『ジモティ―』 ミキ

昂）どーもー。

亜）どーもー。

昂）どーも、ミキです、よろしくお願いしまーす。

亜）どーも、よろしくお願いします。

昂）兄弟でやっておりましてね、

亜）はい！

昂）兄と弟で仲良くやっていかなアカンなー思てますけどね。

亜）やっていきたいんですけどね。あの、僕ね、

昂）おぅ。

亜）最近感動する話を聞いたんや。

昂）感動する話？

亜）だから、ちょっと今日はここで、喋らしていただきたい。

昂）いや、いいねんけどー、

亜）うん。

昂）やっぱそれお話上手じゃなかったらなかなか人を感動させられへんよ？

亜）大丈夫。【人差し指と中指で手首を叩きながら】それは任してくれ！

昂）オイ。

亜）ん。それは任してくれよ！

昂）【腕を叩きながら】任してはこうやれ！なんや任してくれって。時計見せたいんか？時計をー。え？【亜生の袖口をめくって】ワオ！無い！無い！無いなあ、お前。

亜）えっ？

昂）何がしたいねん、お前、大丈夫かあ？

亜）頼む、大丈夫やって。

昂）不安やわー。

亜）え？

昂）不安。大丈夫？いける？

亜）マジ？

昂）ん。

亜）ありがとう。じゃ【昂生の手を取り握手する】

昂）ファンや言うてんちゃうねん。不安や、言うとんねん。

亜）フアンやわ。

昂）フアンてそんなオッサンみたいな言い方せぇへん。フアンなんだよ、僕はー。君のフアンなんだ。

亜）え？

昂）オッサンみたいな言い方せぇへん。

亜）してへん？

昂）せぇへん、そんなん。

亜）あ、

昂）大丈夫？いける？

亜）感動する話やな。

昂）あぁそう。

亜）あの、この話をね、

昂）うん。

亜）昨日の昨日、ジモティーの友達から聞いた話なんですよ。で、

昂）ちょ、ちょちょもう、恥ずかしい恥ずかしい。

亜）何が？

昂）二十歳超えて「昨日の昨日」とか言うのやめて。

亜）あ、そうか。

昂）おとついって言うて。

亜）おとついか。

昂）うん。

亜）あ、でもこれ昨日の昨日じゃなかったわ。

昂）あ、違うん？

亜）昨日の明日や。

昂）「昨日の明日」今日やないか！なんや、「昨日の明日で今日」ってお前、ややこしい言い方せんと、

亜）え？え？

昂）おとついやろ？

亜）おとついね、

昂）うん。

亜）あのジモティーの友達から聞いた話なんですけど

昂）なんや、「ジモティーの友達」て！気になる、「ジモティーの友達」。

亜）え？

昂）「ジモティー」が「地元の友達」やで？「ジモティーの友達」言うたら「地元の友達の友達」やで？それぇ！

亜）あ、違うねん。地元の友達がね

昂）じゃ、「ジモティー」だけでいいやん、ジモティーの「友達」いらんやん？

亜）あ、でもジモティーのトモティーがね、

昂）トモティー！？なんで「ティー」引っ張られんの？それぇ。

亜）あっ、ちゃう、トモティーはそいつのあだ名やねん。

昂）ややこしっ！

亜）そやねん。

昂）ジモティーはトモティーなん？

亜）そう。

昂）ややこしいいなーオイ。

亜）だからジモティーの友達のトモティーがね、

昂）「友達」いらん！言うてんねん。「ジモティーの友達のトモティー」言うたら「地元の友達の友達のトモティー」なるやろ？でも「地元の友達のトモティー」なんやろ？じゃ、「ジモティーのトモティー」って言わな。「ジモティーの友達のトモティー」やったら、「地元の友達の友達のトモティー」なるから、「ジモティーのトモティー」って言えよ。「ジモティー」って、言うな！！

亜）え？

昂）・・・そもそもが！

亜）ごめん。

昂）なんや、「ジモティー」って気色の悪い。

亜）あ、そうか。したら

昂）「地元の友達」って言え！しっかりー。なんや「ジモティー」ってキショい。

亜）キショい？

昂）キショいわー！

亜）キショニィー？【昂生を指しながら】

昂）誰が「キショニィー」や！？

亜）え？

昂）誰が「キショい兄ちゃん」で「キショニィー」やねん、お前。

亜）「ジモティーのキショニィー」。

昂）違うわ！

亜）あぁそうか。

昂）「ミウチーのキショニィー」や・・・

亜）あぁ。

昂）なんや「ミウチーのキショニィー」って！なんや「ミウチーのキショニィー」って！

亜）え？

昂）感動する話どこいったんや！？

亜）あ、これがね、

昂）オゥ。

亜）まだ、春の暖かさが残る秋の日のことやったんですけどね、

昂）なんでやなんでやなんでや！なんで春の暖かさが秋まで残んねん！

亜）え？

昂）夏の暑さが吹っ飛ぶわ！

亜）あ、そうか。

昂）難しい言葉遣わんでいいねん！ムリヤリー。

亜）ほんで、トモティーが、

昂）ん。

亜）なんとその二日後にですね、実は、

昂）もう二日後や！？聞いてなかったからー。

亜）え？

昂）もう、二日後やー。

亜）だからだから、シオリのお腹の中に赤ちゃんがいるってわかった二日後やねん。

昂）俺の知らん女が妊娠してる。誰や、そのシオリっつー女は？

亜）それはトモティーの片想いの相手やねん。

昂）あぁそうなん。じゃ、シオリのお腹の中の子はトモティーの子じゃないん？

亜）あぁそれは違う。

昂）あぁそう。

亜）それは「マサトの弟のケント」の子。

昂）誰の弟の誰やねん！？どんどん知らんヤツ出てくんなー、オイ！誰やそいつ！？

亜）でもな、ケントはこの世にはもう、おらへんねん。

昂）俺の知らんヤツが死んでる。可哀想やねぇ、知らんヤツでも死んでたらねー、それ。

亜）そやねん。

昂）じゃシオリのお腹の中は死んだケントの子ってこと？

亜）そう！

昂）あぁ。

亜）で、トモティーのジモティーがね、なんと

昂）「ジモティーのトモティー」や！「トモティーのジモティー」言うたら「トモティーの地元の友達」ってまた知らんヤツ出てくるやろ！

亜）あぁそうか。

昂）そうや！

亜）で、ケンティーの代わりに、

昂）ケントや！！！ケントに「ティー」いらんねん！

亜）ほんでタカコが産んで、

昂）シオリやー！！！どんどん知らんヤツが出て来てんぞ、お前ー！

亜）産んだ父親んなると決めたワケ。

昂）あぁそうなん。じゃシオリのお腹ん中の子はケントの子やったけどケントが死んじゃったから、トモティーが父親代わりになるって決めたってことね？

亜）そう。

昂）これだけで済むやんけっ！

亜）え？

昂）これだけで済んだやんけ！

亜）てけてけてーててー？？？

昂）これだけで済んだやんけ言うてんねん！

亜）てけてけてーててー

昂）２回も出さへん！そんなー。誰が「てけてけてーててー」って言うねん？これだけで済んだやんけ？って言うてんねん。

亜）あぁそうか。

昂）話の続きね！

亜）ほんでね、

昂）ん。

亜）その生まれた子ーがねー、

亜）小学校に上がるんです。

昂）もう時間軸がようわからん。その子が次小学校に上がるの？

亜）そう。

昂）お前ずっといつの話してたん？

亜）ほんでやっとその子がね、

昂）ん。

亜）トモティーのことを、パパ！って呼んでくれてんて。うぅ・・・（泣）

昂）今までなんて呼んでたか知らん。大事なとこ抜けてる、今までなんて呼んでたか知らんねん。

亜）ドルードルー

昂）「ドル」って独特の泣き方すんな！

亜）ドルー

昂）「エーン」か「ウォーン」で泣け、通貨間違えとんねん。「ドル」で泣くな、「円」で泣け、お前。通貨間違えとんねん。「ドルー」で泣くな、「円」で泣け。通貨を間違えとる。

亜）ペソペソ

昂）ペソペソすなっ！なんや、「ペソペソすな」って！

亜）え？

昂）何言うてんねん！お前はー。

亜）え？めっちゃ感動したやろ？

昂）どこがやねん。もうえぇわ、どうもありがとうございました。

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